「介護事故報告書を書けないスタッフが多くて困っている…」という相談は多いのですが、
そこに表れているのは、事業者のリスクマネジメントの水準・レベルです。
本当に困っているのは、「書けないものを無理やり書け」と指示される介護スタッフです。
介護事故報告書を書くには、
◆ 高齢者介護・ケアマネジメントに関する基礎知識・基礎技術を有していること
◆ 『エリア別』『要介護状態別』『生活・介助行動別』など介護事故の知識を有していること
◆ 介護事故の発生原因(三大原因・複合原因)について十分に理解していること
◆ 介助方法・介護手順、また初期対応について十分な知識・技術を有していること
◆ 事故原因の分析、初期対応が適切だったかを検証できること
◆ 類似事故の予防対策、業務改善を検討・実施できる知識・ノウハウを有していること
そう簡単に、誰でも書けるというものではないことがわかるでしょう。
更には、このような高い知識・技術を持っているスタッフであっても、ミスをしますし、
事故の発見・発生の当事者となれば、慌てたり、焦ったり、混乱したりしますから、
感情的・主観的になりがちで、客観的な報告書を書くことは難しいのです。
ここで、ポイントとなるのが「事故の検証」です。
介護事故報告書の目的は、反省を促すことでも、叱責することでもありません。
介護事故報告書の目的、どのように活用するのか、そのために何を報告するのか・・・
それがわかれば、何を報告するのか、何を検証するのか、誰が報告書を書くのかが見えてきます。
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