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ニュースを読む : 【ニュースを読む】~「高年齢者の雇用・就業の実態に関する調査」を読む②~
投稿日時: 09月06日 (1587 ヒット)

 【ニュースを読む】
~ 「高年齢者の雇用・就業の実態に関する調査」 を読む ②~

独立行政法人 労働政策研究・研修機構は、7月5日「高年齢者の雇用・就業の実態に関する調査」を発表した。高齢者の就業や生活の実態、就業や生活に関する意識を調査するもので、55歳~69歳の男女5000人にアンケートを実施。有効回収率72%。

資料 高年齢者の雇用・就業の実態の関する調査
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【解説・論点】
この「高齢者の働き方はどうあるべきか」を早急に検討しなければならないもうひとつの理由は、「高齢者の労働力の活用」というマクロ的・社会的な側面です。    一つは、培われた高い技術や技能を持つ高齢者が大量に退職することによって企業の競争力が低下し、日本経済全体に悪影響を及ぼすという問題です。  この問題は、1947年を中心とした団塊の世代が、60歳の定年で退職する2007年に多く発生することから「2007年問題」と呼ばれました。日本の経済は、高い技術を持つ中小企業によって支えられていると言われていますが、マニュアル化できない固有の技術の継承が難しいため、特に製造業において危機感が強くなっています。  現在のところは、継続雇用制度などによって、それほど大きな混乱は起きていませんが、抜本的な解決には至っておらず、「2012年問題」として、再びクローズアップされています。  もう一つは、純粋な労働力としての側面です。  日本の高齢化は少子化とセットです。それは、労働力として社会を支える人間と支えられる人間のバランスが大きく変化するということです。  これは介護サービス事業にとっても、大きな問題です。  社会保障国民会議に示された資料によると、必要な介護職員は、2025年には211万人~255万人になると試算しています。これは2007年の117万人の二倍以上の数字です。離職率や求人倍率が若干好転したとはいえ、景気が良くなると、介護スタッフ不足は再び顕在化することになります。現在でも慢性的に介護職員が不足している状況を考えると、かなり厳しい数字だと言わざるを得ません。

必要な介護職員は、2007年の117万人から、2025年には211万人~255万人へ
必要な看護職員は、2007年の132万人から、2025年には169万人~202万人へ

 更に、上記の「経済上の理由」を具体的に聞くと、「生活水準を上げるため」ではなく、「生活を維持するために働く」という人が、65歳以上でも全体の8割を超えています。
 つまり、65歳以上になっても、働かなければ生活を維持することができない、また働かないと将来が不安だという人が多いということです。



つまり、介護労働者はいまの二倍以上必要なのにも関わらず、全体として働く人は15%以上減少するのです。
 高齢者介護事業に従事する介護スタッフを増やすためには、低いと言われる給与などの労働条件の改善が必要になります。しかし、その労働条件を改善するには、介護報酬の引き上げが必要になり、それは更なる介護保険財政・社会保障財政の悪化に繋がります。
 このままでは、訪問介護を利用したい高齢者が増えても、ホームヘルパーがいないので対応できない、また介護付有料老人ホームの需要が高まり入居希望者がいても、介護職員がいないので受け入れできないという時代が、確実にやってくるのです。


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