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「高住経ネット」の開設にあたって

 介護保険の発足から、この10年の間に高齢者住宅業界は、右肩上がりで急成長してきました。有料老人ホームは4400施設に、高専賃の登録件数は1600ヶ所を数えるまでになっています。超高齢社会の中で、その準備が順調に行われているように見えます。

 しかし、その急成長の影で、歪みも拡大しています。
 読売新聞の調べ(2009年12月18日朝刊)によると、経営困難によって閉鎖された有料老人ホームは、2006年以降で65件、事業主体が変わったところは342件に上るとしています。実際に、入居者不足、人件費の高騰などで経営が悪化しているところは増えており、入居一時金の長期入居リスクなど、その収支の特殊性を考えると、倒産件数が増加するのはこれからです。更に、転倒・骨折などの事故によって、裁判となるケースも増加しており、突然のスタッフ離職によって決められたサービス提供ができないというケースも出てきています。
 高齢者住宅事業は、「需要が増えるから上手く行く」「バリアフリーの建物に介護保険を付ければ運営できる」「入居率が高くなれば利益がでる」というほど単純なものではないのです。

 有料老人ホーム、高専賃などの高齢者住宅を開設することは誰でもできますが、制度やニーズ、介護労働市場など経営環境が大きく変動する中で、30年、40年という長期安定経営を続けていくことは、容易なことではありません。経営者は、サービス力・経営力を高めると同時に、高いアンテナを立て、社会情勢の変化を敏感に察知し、その環境変化に対応していかなければなりません。
 しかし、多くの老人ホーム、高齢者住宅の経営者とお話すると、正確・迅速な経営情報を求めているものの、最低限必要な経営情報すら行き渡っていないということも少なくありません。同様に開設希望者も、「開設マニュアル」「開設ありき」といった情報は氾濫していますが、事業の特殊性やその特殊性からくる事業リスクなど、長期安定経営のための情報提供は、十分に伝わっていないようです。
 インターネットの進化によって、得られる情報量は格段に増加しているのですが、逆に情報量が多すぎることから「必要な情報を探せない」「必要な情報を選択できない」「情報を活用できない」「じっくりと探す時間がない」というジレンマに陥っているのです。


 「高住経ネット」は、経営情報取得にかかる4つのミスマッチを踏まえ、有料老人ホームや高専賃等の開設予定者、経営者、管理者の方々が知っておくべき「経営情報」「専門情報」を整理し、提供することを目的としています。
 高齢者住宅・老人ホームに関する情報、事件などを整理し、忙しい経営者・管理者が、知っておかなければならない情報を毎日短時間でさっと読めるということ、そして、高齢者住宅開設・経営に関する基礎知識、制度の方向性、長期安定経営のポイントなど、専門性の高い情報は時間がある時にじっくり読むという、二つの視点から情報を発信していきます。
 単なる情報の羅列や「開設支援サイト」ではなく、「老人ホーム事業の特殊性」「事業上のリスク」など、商品力のアップ、経営ノウハウの構築、サービス向上、経営改善に必要な情報を提供していきたいと考えています。


 本サイト「高住経ネット」は、私が個人的に運営していたウエブサイト「高齢者住宅の未来をどう読むか」を元に、㈱アトラクティブシステムズ様の協力のもと、新しく開設する老人ホーム・高齢者住宅・介護施設の開設・運営情報サイトです。
 これまでも数多くの人にご覧いただき、ご質問を受けてきましたが、個人で運営することには限界があり、更新が長期間滞るなど、同時に多くの方にご迷惑をおかけしてきました。
 今後は、私の意見(コラム)だけでなく、リスク管理、労務管理など様々な専門家の方にもコラムの執筆をお願いし、現在の制度の課題や問題点、あるべき姿なども含め、重層的な広がりのあるサイトにしたいと考えています。また、サイトを通じて、セミナー、勉強会なども、積極的に行っていきたいと考えています。

  新しくなった「高住経ネット」を引き続き、宜しくお願い致します。

2010年7月1日
濱 田 孝 一