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<はじめに>

 高齢者住宅の事業特性を理解する上で、抑えておかなければならないポイントは2つあります。
 一つは、対象となる高齢者は、加齢によって身体機能・認知機能が低下していくということです。入居時は一人で歩くことができていても、筋力が低下し車椅子が必要になり、寝たきりの状態になります。歩行や食事、排せつ行為などのことをADL(日常生活動作)と言いますが、骨折や脳梗塞などで一気に低下することもあれば、加齢によって少しずつ低下していく人もいますし、目に見える部分だけでなく、視力聴力の低下や認知症などの発生確率も高くなっていきます。
 もう一つは、高齢者住宅への入居を検討する高齢者・家族は、『終の棲家』を求めているということです。高齢者やその家族が、高齢者住宅への入居を検討する理由は、『今、設備の整った住宅で安心・快適に生活したいから』でなはく、『将来介護が必要になっても転居する必要がないように』ということに重点が置かれています。
 制度的には、有料老人ホームの一つの類型として『介護が必要になった退居』という健康型有料老人ホームというものがありますが、それでは、高齢者住宅の基本的な要件を満たしているとは言えませんし、入居者も集まらないでしょう。

 この二つの事業特性を合わせると、高齢者住宅事業は、要介護高齢者対応が不可欠であり、安定した介護システムを構築が事業の成否を決めると言っても過言ではありません。
 その介護システムの基礎となるのが介護保険制度です。高齢者住宅事業は、この介護保険制度やその基礎となるケアマネジメントを理解せずに、一歩も進むことはできません。
 しかし、実際は、高齢者住宅事業者の多くは、この介護保険制度やケアマネジメントを理解できていません。特定施設入居者生活介護の指定を受ければ、訪問介護や通所介護を併設すれば、入居者が集まり、介護保険サービスが提供されて、事業は安定的に経営できると思っています。
 それは大きな間違いです。現在開設中のものを含め、この介護保険制度の基礎、課題、その未来を詳細に検討しないまま参入した多くの高齢者住宅は、必ず経営に行き詰ることになります。
 ここでは、高齢者住宅事業者が理解すべき、介護保険制度・ケアマネジメントの基礎と課題、そしてその方向性について解説します。



  059 急速に膨張する社会保障費・悪化する財政
  060 介護保険制度の基本・混合介護の意味 
  061 介護保険制度の全体像を理解する 
  062 高齢者住宅に適用される介護報酬 
  063 一般型特定施設入居者生活介護の概要 Ⅰ 
  064 一般型特定施設入居者生活介護の概要 Ⅱ 
  065 区分支給限度額方式の概要 Ⅰ 
  066 区分支給限度額方式の概要 Ⅱ 
  067 外部サービス利用型特定施設の概要 Ⅰ 
  068 外部サービス利用型特定施設の概要 Ⅱ 
  069 定期巡回随時対応型訪問介護看護の概要 Ⅰ 
  070 定期巡回随時対応型訪問介護看護の概要 Ⅱ 
  071 定期巡回随時対応型訪問介護看護の概要 Ⅲ 
  072 現在の介護保険制度の課題 Ⅰ 
  073 現在の介護保険制度の課題 Ⅱ 
  074 現在の介護保険制度の課題 Ⅲ 
  075 介護保険・介護報酬の未来を読む Ⅰ 
  076 介護保険・介護報酬の未来を読む Ⅱ 
  077 介護保険・介護報酬の未来を読む Ⅲ 
  078 介護保険・介護報酬の未来を読む Ⅳ