高齢者住宅事業は、団塊の世代が後期高齢期に入る2015年に一つの転機を迎えます。
 介護事故やトラブルの増加に加え、混乱している高齢者住宅関連制度、介護保険の適用の大改定によって、制度も事業者も淘汰・集約されていくことになります。
 私達が、今、見ているのは、その混乱の先にある高齢者住宅です。
 制度が集約されるということは、『サ高住か有料老人ホームか』『介護付か住宅型か』といった制度選択による歪は排除されではなく、本格的な、商品力・サービス力の競争が始まるということです。
 長期安定経営が可能なサービス力・商品力とは何か、高齢者住宅で高齢者はどのように生活しているのか、事業者は何をどのようにサポートするのか・・など、基礎から高齢者住宅事業を見つめなおし、『強い商品性』を探る必要があります。
 高住経ネットは、一緒に高齢者住宅の未来を推進することのできる、ビジネスパートナーを求めています。私達が、強く興味を持っているのは次の4つのエリアです。

福祉機器・介護支援機器の開発

 福祉機器や介護支援機器は、精密で質の高い『ものづくり』や『細やかな配慮』を得意とする日本の企業が、世界に向けて発信できる大きなビジネスチャンスの一つです。
 しかし、展示会などで多くの商品を見ていると、『機能が充実しすぎて使いにくい』『カスタマイズしすぎて使えない』と感じることは少なくありません。『ニーズは高齢者や現場のスタッフに聞け』と言いますが、それだけでは『あれもこれも・・』とニーズやが広がるばかりで、商品として集約できなくなります。一部の高齢者にピッタリフィットしても、他の高齢者が使えなければ、高齢者住宅や介護保険施設では導入できません。私達は、個々の高齢者だけでなく、事業者にとって使い勝手の良い『安全性』『汎用性』『可変性』の高い商品の開発を求めています。

IT関連機器・介護ロボットの開発

 私達、コンサルタントの仕事は、未来の高齢者住宅はどのようなものになるだろう・・10年後20年後の高齢者は、どのような生活をしているだろう・・と考えることです。これからの高齢者の生活や介護ビジネスに大きな変化をもたらすのが、IT関連や介護ロボットなどの技術革新であることは間違いありません。
 『要介護高齢者にIT?』と思われるかもしれませんが、これから中心となる団塊世代はインターネットに慣れた世代です。身体機能が低下しても、社会や家族とつながり続けることができるIT技術の進化は、高齢者にこそ重要な役割を有していると言えるでしょう。
 高住経ネットでは、事業者用に情報共有・情報管理システム『KaIT』を開発しましたが、同様に、IT技術を使って高齢者のQOLを高めるシステム、高齢者住宅ビジネスに役立つビジネスモデルを開発・検討を支援しています。

要介護高齢者住宅モデルの確立

 一時期、『早めの住み替えニーズ』という言葉が流行りましたが、高齢者の加齢変化、重度化対応リスク、認知症リスク等を考え合わせると、高齢者住宅は『要介護高齢者対象』に集約されていきます。また、現在、低価格のサ高住が増えていますが、その大半は介護保険制度の歪を突いたものであり、ケアマネジメントや介護報酬算定が厳格に求められると、経営できなくなります。
 実際、『経営が安定しない』という相談が多く寄せられますが、その大半は、経営ではなく、商品設計・事業計画の段階で失敗しています。
 私達は、『リスクマネジメント』『ケアマネジメント』『ディスクロージャー』の3つの視点から、『安全性』『安定性』『汎用性』『可変性』『効率性』の5つの機能を持つ、次世代の要介護高齢者住宅のビジネスモデルの検討しています。

経営管理・サービス管理ノウハウの確立

 高齢者住宅ビジネスの経営・サービス管理の基礎は、その法的責任の理解とリスクマネジメントにあります。制度変更やスタッフ募集、人件費の増加などの経営上のリスクを事業計画の中でどこまでヘッジすることができるか、また、介護事故やトラブルの責任はどこまで負うべきか、そのリスクを予防・削減するために、どこまですべきか・・など、一つひとつの事例を詳細に検証し、その上にノウハウを構築していかなければなりません。
 しかし、介護ビジネスは、これまで老人福祉施策からスタートしていることから、業界全体としてその認識は甘く、『サービスには法的な提供責任が発生する』ということが、十分に理解されていません。大手事業者でも、『それは事業者の責任ではないだろう・・』『そこまで求められると事業を継続できない・・』といった楽観的・独善的なイメージで経営されているのが実態です。
 サービス実務だけでなく、介護スタッフの育成、入居時説明、情報提供、介護事故対応など高齢者住宅の経営管理ノウハウ・サービス管理ノウハウを構築するためには、より深い法的・学術的な検討が必要だと感じています。


高住経ネットとは
 経営コンサルタントの濱田孝一を主宰とする、高齢者住宅ビジネスの未来を創るコンサルティング集団の名称です。
 ホームページ『高住経ネット』の運営のほか、高齢者住宅に関する各種コンサルティングも高齢者住宅の開設予定者、経営者を対象とした開設経営実務セミナー・講演会、また、高齢者住宅で働く介護スタッフを対象としたサービス実務・サービス管理実務の勉強会を行っています。