HOME > 対談:介護ビジネスとITの関係(2)~ホームページの役割と未来~
濱田 孝一(はまだ こういち)
1967年 京都府舞鶴市生まれ。
90年立命館大学経済学部卒業、旧第一勧業銀行入社。
特別養護老人ホームの介護スタッフ、社会福祉法人の管理者を経て、現在は、高齢者住宅の開設・経営支援サイト【高住経ネット】の主宰として、高齢者住宅の開設・経営・再生に関する各種コンサルティング、及び講演、セミナー等を通じて、リスクマネジメントを基礎とした経営者・介護リーダーの育成を行っている。
東口 昇(ひがしぐち のぼる)
1973年 大阪府大阪市生まれ。
98年大阪電気通信大学工学部卒業。
2003年株式会社イトーキ退職後、株式会社アトラクティブシステムズを設立(インターネットサービス業)
医療・介護・行政外郭団体等の実績も多く、クラウドサービスに特化した事業展開で、「より多くの人にインターネット技術を享受できる社会づくり」をミッションとして活動。
 高齢者住宅の経営コンサルタントとして活躍される濱田氏と、アトラクティブシステムズとのコラボレーションでスタートした高住経ネット。2010年にスタートしてから、早や5年を迎える。特別な広報や広告も特別に行っていないにも関わらず、アクセス数は月30000件を超え、今なお増えつづけている。
 濱田氏と、アトラクティブシステムズの東口氏の二人に、高齢者住宅・介護業界とITの関係、未来について語ってもらった。(場所:アトラクティブシステムズ内/日時:平成27年1月25日)

そもそも、ホームページの目的、役割って何だと思いますか?

濱田さんは、ホームページを自分でもお作りになっていましたが、介護サービス事業者におけるホームページと言うものの役割について、どのようにお考えになっていますか?

濱田 最初に自分でホームページを作ったのは、もう10年くらい前になるでしょうか。現在の高住経ネットの前身で、単なる情報提供サイトでしたが、それなりにたくさんの人に見ていただいていました。ただ、個人の記録用や意見を吐き出すために、無料のブログやFBを作るのとは違って、介護サービス事業所がホームページを作る場合は、まずは、そのコストに見合った以上の利益を得るためにどうするかという視点が必要なんです。

東口 「利益」ですか。利益というのは面白い言い方ですね。濱田さんが言われているのは、金銭的な収益ではなくベネフィットということですね。

濱田 そうです。広告のアフェリエイトなんかもありますが、よほどたくさんの人が見ない限り、ホームページそのものがお金を稼いでくれるわけではありません。その事業者の情報をしっかり公開することによって、利用者や家族に安心感を得てもらうということは、一つのメリットですよね。また、これからは、行政の指導監査などでも、情報開示ということが厳しく求められることになるでしょうから、それに対する対策と言う面でもベネフィットといえるでしょうね。

東口 ただ、最近ではホームページの見直しや変更のご相談を受けることも多いのですが、数十万、中には百万円以上の作成費を支払っているにもかかわらず、話しを聞くと、「一月の間に閲覧者 1人、2人しかない」というところが大半で、広報、広告の機能だけでは、何とももったいないなぁ・・・という気がするんです。

濱田 確かに。実は、まだホームページはパンフレットの電子版みたいなイメージの人が多いんですね。コストや機能などほとんど考えずに、初期コストの中で形だけつくってしまう。また、ホームページ作成に数百万円、毎月の保守料にも高額のお金をかけても、できてしまえばほったらかしで、誰も管理していないし、見ている人は数人といった状態に、疑問を感じていないところも多いですね。介護報酬の改定で報酬単価が変わっても前のままというところもあります。厳しい言い方をすれば、それも、経営者の資質というところですが・・

最低限の機能、基本的な機能でもいいの?

コストのことを気にしてか、東口さんのところには、『最低限の機能でもいい』『基本的な機能だけでいい』と言うご相談が増えているようですね。安さが魅力なんでしょうか。

東口 そうですね。これまで、作成会社の言いなりであまりにも高額だったという問題もあります。15年くらい前は、ちょっとした機能で数千万円もザラでしたからね(笑)。 ページ数にもよりますが、基本的な機能だけであれば、それほど高価なものではありません。うちは、ご利用いただいたお客さまからの、口コミ、ご紹介のお客様がほとんどなので、「あれとこれだけ、基本的な機能、最低限の情報でいいから安くして・・・」と仰るお客様も多いですね。 会社としては、あまり手間もかかりませんし、ありがたいお話しなんですけど、ただそれも、逆に「もったいないなぁ・・」と思うことも多いんです。

濱田 よくわかります。実は私のいとこが防犯カメラ設置の技術者をしているのですが、同様に、「基本的な機能で、最低限のスペックで・・・」と言われることも多いと言います。でも、実はカメラ本体は高機能になっていて、かつ値段は安くなっているので、画像や録画時間、IP機能などバージョンアップしても、5万、10万くらいしか変わらないそうです。でも、取り付けるための工事費は、カメラの機能に関わらずケーブルを引いたり、取り付け位置の打ち合わせや確認をしたりするので、工賃だけで20万円、30万円くらいかかるわけです。将来を見据えてもうちょっと、画像の良いカメラにしたら良いのに・・と思うそうです。

東口 同じことが言えますね。ホームページ上でできることは、防犯カメラの世界と同様に、年々進化しています。昨年までは難しく、高額の費用がかかったことが、システム的にも、運用的にも、驚くほど安く、簡単にできるようになっています。2倍、3倍の機能を強化したからといっても、二倍、三倍の費用になるというわけではないんです。「とりあえず、基本的な機能だけで良いので、安いだけところに頼む」 という考え方も、これからのことを考えると、もったいないような気がしますね。

介護ビジネスとITの関係(2)~ホームページの役割と未来~

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