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高齢期の生活に役立つ社会資源・サービスを見つけよう


 高齢期のサービスというと、『訪問介護』『通所介護』といった介護保険サービスや、かかりつけ医といった医療をイメージする人が多く、『まだまだ元気だから、要介護ではないから使えるサービスはない』と思っている人が多くはありません。
ここでは、高齢期に見直しておきたいフォーマル・インフォーマルな社会資源について考えます。


 遠距離に親が一人で暮らしていると、『昨日から電話にでない…』『家の中で具合が悪くなっているのではないか…』『倒れているんじゃないか…』と、何かあるたびに、心配になります。そのたびに、警察に連絡をすることも憚られますし、近くで豪雨災害や地震があっても、すぐに飛んで行って、状況を確認することはできません。

 
 こんな時にまず頼りになるのが、近くに暮らす親族です。
 高齢期の一人暮らしになると、電球一つを変えるだけでも結構大変です。『何も言わなくても、わかってくれているだろう』と思わずに、『母が一人暮らしなので、何かあったら、お願いします』と、一度きちんと、菓子折りをもってご挨拶をしておきましょう。
 それだけで、いざ困ったときにお願いがしやすくなります。何もなければそれでよいのです。「家の中で転倒・骨折して、救急車で運ばれた」というときでも、近くで見てくれる親族がいるかいないかで、その後の対応はずっと楽になります。
 近くに親しくしている親族がいない場合は、親が仲良くしている友人や知人、また、町内会の民生委員や福祉委員さんがおられる場合は、家族の連絡先、電話番号を伝えておくというのも、一つの方法です。

 もう一つは、高齢期の生活に役立つ民間のサービスの活用です。
 朝刊や牛乳が取られていない場合、家族に連絡してくれる新聞販売店、牛乳配達もあります。
最近、高齢者を対象としたお弁当の配食サービスが増えていますが、これも、高齢者の生活、特に独居高齢者の生活支援としては便利なものです。
 糖尿病や高血圧などに対応する、カロリーコントロールや減塩のお弁当も作ってくれますし、配達時に鍵が仕舞っていてはいれない、何度呼び鈴を押してもでてこられないと言う場合、登録しておけば家族に連絡をしてくれます。配食サービスには、「食事」だけでなく、「異変の早期発見」の機能もあるのです。


 また、お米や飲み物などの重たいものはネットスーパーで頼むという方法もありますが、地元のお酒屋さんやお米屋さんに頼むと、配達時の様子を知らしてくれたり、台所まで運んでくれたりします。
 最近は、定期的な見守りサービスを郵便局も始めていますし、庭の掃除やゴミの選別を地元のシルバー人材センターが請け負ってくれるなど、それぞれの地域・市町村で、様々な高齢者サービスを行っています。これらは要介護でなくても使えるものですから、地域包括支援センターに問合せをしたり、インターネットなどで調べてみることをお勧めします。

 いまは、地域包括ケアといって、地域・自治体によって、「自立・要支援向け」の高齢者施策、行政サービスには違いがあります。親の住んでいる市町村で、どのような高齢者サービスを行っているのか、有料サービスでも低所得者には補助がでるものもありますから、探してみましょう。













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