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認知症 早期発見のためにできること


 認知症は老化現象ですから、「認知症にならないように気を付ける」ことはできません。
 「認知症対策」は認知症にならないことではなく、早期に発見することです。そのためには、まず、「高齢期になると認知機能が低下するのは当たり前のこと」「わたしもいつか認知症になる」ということを、正しく認識することが必要です。
 早期発見のポイントはふたつあります。

かかりつけ医で認知症の定期健診を受ける

 一つは、定期的にかかりつけ医で認知症の簡易検査を受けることです。
 最近では、各市町村が、インターネットを使って、質問形式で認知症の検査をする動画サイトをつくっています。これを活用するのも一つの方法ですが、70歳を超えると、年に一度は「かかりつけ医」で、簡易検査を受けるのが良いでしょう。


 認知症の簡易検査には、「長谷川式簡易知能評価スケール(HDS-R)」や「ミニメンタルステート検査(MMSE)」などがあり、どちらも10分~15分程度でスクリーニングが可能です。
 ここで、「認知症の可能性がある」となれば、「もの忘れ外来」「脳神経内科」「精神科」「神経内科」「老年病科」などを紹介してもらえます。この認知症のリスクは、糖尿病などの疾病や普段飲んでいる薬にも関係しているため、かかりつけ医であれば、それも含めて総合的に判断してくれます。
 認知症の多くは、脳の器質的疾患です。アルツハイマー型でも脳血管性型でも、専門病院でMRI検査を受けることで、その原因となる脳の器質的な変成が見つかりますし、「認知症ではなく、老人性うつの初期症状」と診断されるケースあります。

家族や親しい友人と認知症について話をする

 もう一つは、家族や親族、親しい友人と、認知症について話をしておくということです。
 高齢期の物忘れ(健忘)と、認知症の記憶障害は何が違うのか。
 一般的に健忘は、「昨日は、何を食べたんだっけ」「二階に何をしに来たんだっけ」と体験の一部を忘れるというものです。人の名前がでてこなくても、教えてもらえれば、「そうそう…」と思い出すことができます。また、思い出せないという自覚があるとされています。

 一方の認知症による記憶障害は、昨日、親しい友人に会った、夕食を食べたという行為そのものを忘れてしまいます。繰り返し同じ話をしたり、スーパーで何度も同じものを買ってしまうというのも、「お砂糖は昨日買ったわね」という行為の記憶そのものが欠落してしまうからです。
 それが進むと、「昨日、田中さんに百貨店で会ったよね」と言われても、「百貨店なんかに行っていない」「田中さんにも会っていない」「田中さんなんて人はしらない」となるのです。


 従来、この「健忘」と「記憶障害」は全く違うものだと言われていましたが、最近では、この健忘と認知症は無関係ではなく、その間に「軽度認知障害(MCI)と呼ばれる状態があることがわかってきました。この認知症になる前の「軽度認知障害(MCI)の段階で、発見し、適切な治療や対応ができれば、認知症になることを防ぐことができるとも言われています。

 「カットに行ったはずなのに、お買い物して帰ってきてしまった」
 「お花がきれいだと買ってきたが、昨日も一昨日も同じ花を買っていた」
 「それ、認知症じゃない?」
 「あら、ほんと…」
 という風吹ジュンさんのテレビCMがありますが、あの段階が軽度認知障害です。
 大げさだと思う人がいるかもしれませんが、あの段階で気づくことが大切なのです。
 それが、認知症にならない、唯一の方法だと言ってよいでしょう。



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