では、いま70歳の人が85歳になる、2040年はどのような社会になっているのでしょうか。
それを数字で見ていきましょう。
「高齢者が増える」と言っても、65歳から84歳までの「前期高齢者+前後期高齢者」のピークは2020年に過ぎています。これからの日本で増えていくのは、要介護発生率、特に認知症発生率が顕著に高くなる85歳以上の「後後期高齢者」のみです。
介護保険がスタートした2000年には220万人程度だったものが、2020年には600万人を超え、5年ごとに100万人単位で増加をつづけ、2040年には1000万人を突破します。
その中核になるのは、よくご存じの「団塊の世代」です。
ただ、それがピークではありません。後後期高齢者人口は、そのまま高止まりを続け、2065年には1179万人となり、いまから50年後の2070年代後半まで後後期高齢者1000万人時代が続くことがわかっています。
これが日本の高齢者問題、介護問題の本丸です。

この介護需要の増加に、さらに拍車をかけるのが「後後期高齢世帯」の増加です。
国立社会保障・人口問題研究所の「日本の世帯数の将来推計」によると、2040年には、85歳以上の後後期高齢独居世帯は約2倍の225万6千世帯へ、夫婦のみの世帯も同様に126万世帯となります。つまり、後後期高齢者だけの世帯が全体の73%に、「後後期高齢者+未婚の子」という世帯を合わせると93%に上ります。

子供家族との分散、遠距離化も、介護需要増加の一つの要因です。
大都市部、特に東京圏への集中によって、二人の子供がいても、「親は関西地方、長女は夫の仕事で横浜に」「長男は千葉に、その妻の両親は東北地方にいて、長女の夫の親は四国で一人暮らし」という、ケースも珍しくありません。親子ともに関東圏であっても、埼玉、千葉など電車で二時間近くかかるというケースもあり、いつでも会いに行けるという距離にはありません。
老々介護は、どちらも65歳以上で、夫婦のどちらかが、認知症や寝たきりの妻や夫を介護することを言いますが、2025年からは、どちらも75歳の後期高齢者という「超老老介護の時代に入っています。それが2035年には寝たきり、認知症の「重度要介護独居」、更には夫は寝たきり、妻は認知症という「重重要介護世帯」が激増することになります。
いまでも、週刊誌やマスコミからは「介護地獄」「介護崩壊」という煽情的な言葉が聞こえてきますが、日本はまだ介護問題の入り口に入ったばかりなのです。


























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