「2040年には、全国で認知症高齢者は950万人に達する」
「2040年には、国の介護費用は2.3倍に」
介護問題については、さまざまなニュースで取り上げられていますが、この「全国で…」というのは、これまでの全国共通ケアシステムの考え方です。これからの「地域包括ケアシステム」の時代は、それぞれの自治体で、受けられる高齢者サービスは大きく変わります。それは各市町村が、「人材確保・財源確保」も含めた、総合的な高齢者施策のマネジメントに責任に責任を持たなければならないからです。
介護人材・社会保障財源の確保を考える上で、「支える側」と「支えられる側」のバランスは、「85歳以上の後後期高齢者」と「20歳~64歳までの勤労世代」の人口比率を一つの指標としてみることができます。【🔗現在の介護制度を維持することは難しい 参照】
これを「後後期・勤労世代比率」と言います(個人的造語です)。
この数字が小さくなるほど、人材・財源の確保が難しくなるということです。
まずは、都道府県別にその数字を見てみましょう。

秋田県では、2025年の段階で5.5と、全国平均の15年先を進んでいます。
2040年には3.3。高知県では3.6、青森県、長崎県、徳島県でも3.8になります。
市町村別にみると、より厳しい現実が見えてきます。
同じ秋田県内でも、秋田市は4.3ですが、男鹿市では1.7と2.0を切ります。この後後期高齢者一人を支える労働力人口が二人以下という自治体は、2040年には全国で130市町村(全市町村数の7.5%)に達します。
東京や愛知、埼玉、大阪などの都市部では、まだ少し余裕があるように見えます。
しかし、二三区内でも豊島区や千代田区、中央区は17以上ですが、足立区や葛飾区では、9.51、9.38と10を切ります。郊外に目を向けると青梅市は3.54、あきる野市は4.36と、これから一気にアンバランスが進んでいくことがわかります。


国立社会保障・人口問題研究所のホームページに、都道府県別・市町村別の「将来推計人口」がアップされていますので、お住まいになっている市町村で、ご自身が八五歳になったときの「後後期・勤労世代比率」を調べてみることをお勧めします。
もちろん、この比率だけで、すべてがわかるわけではありません。
都市部と地方部とでは、抱える問題は違うからです。
東京都は財政が豊かなことは知られていますが、いまでも慢性的な介護人材不足に喘いでいるのは都市部です。それは介護以外にもたくさんの仕事があるからです。厚労省は「第九期介護保険事業計画」に基づいて、2040年の介護人材の必要数と不足数の予測を出していますが、その乖離が最も大きいのは東京の7.3万人を筆頭に、大阪の6.2万人、 愛知、神奈川、埼玉などが上位に並びます。これから、都市部では介護人材の取り合いになります。
一方の地方の場合、大きな工場や産業がない限り、公務員や医療介護、保育などのエッセンシャルワークの比率が高くなりますが、集落が点在していたり、勤労世代の人口減少によって住民税や固定資産税収入が減ることで、財政基盤が弱くなります。
この話をすると、「国は破綻しない」「介護保険・健康保険は破綻しない」という反論する人がいますが、それは、はじめに市町村が破綻するからです。そうなれば、夕張市のように、最高額の医療介護保険料、住民税で、最低レベルの住民サービスに転落することになります。この先、中核都市や政令指定都市を含め、全国で二割~三割の自治体が財政破綻をするのではないかと言う人もいます。つまり、自治体破綻がブレーキになって、国や保険システムは潰れないだけで、破綻自治体に暮らす住民が悲惨な行政サービスとなることは同じなのです。
大阪都構想ではマスコミ挙げて大反対の大合唱になりましたが、すべての地方自治体でそれ以上のインパクトがある地域包括ケアへの移行は、すでに2025年に静かに始まっています。
要支援高齢者を対象とした総合事業・介護予防対策では、自治体によって格差が生まれ始めており、これからどんどん広がっていきます。これからは、国の政策だけでなく、住んでいる町村・都道府県の高齢者施策やそのマネジメント能力に目を向ける必要があるのです。
(参照 「地域包括ケアシステムで介護格差は拡大する」 🔗)


























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