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「介護のプロ」としての、あなたの未来はあなたが描く

介護の仕事を始める前にすべきことは、「自分はどのような介護のプロになりたいのか」「将来、どのような仕事・介護がしたいのか」を、しっかりと考えること。その目的・夢が達成できる、支援してくれるプロの事業所を選ぶこと。

介護スタッフ向け 連 載 『市場価値の高い介護のプロになりたい人へ』


ここでお話をしているのは、「介護のプロになりたいのであればこの事業者を選べ」「わたしがお勧めするのはこの法人」というものではありませんし、「プロの事業者・優良事業者のチェックポイント」といった短絡的なものでもありません。
それはあなたがどのような事業所で働きたいのか、どのような仕事をしたいのか、仕事に何を求めるのか、将来はどうなりたいのか…、また、現在の生活環境、年齢にも関わってくるからです。
介護保険施設や高齢者住宅で働くには夜勤がありますし、デイサービス・デイケアで働くには車の免許が合った方が良いでしょう。また、新卒などで就職と同時に一人暮らしする予定の人は、働く場所をそれほど制限しなくても良いでしょうか、自宅から通う人、結婚したり子供がいる人は、自分の通勤範囲の中で選ぶことになります。

あなたはどのような介護のプロになりたいのか・・

年齢・経験・資格を問わず、介護の仕事を始める前にまずすべきことは、あなたはどのような介護のプロになりたいのか、どのような仕事がしたいのかを、しっかりと考えることです。
「あなたはどうして、この仕事をえらんだのですか?」
という質問はどこでもされるので、一応それくらいは考えていくでしょう。
「祖母が認知症になったときに…」「祖父の介護をしていた母に…」「超高齢社会に役立つ仕事を…」、とそれほど突飛な答えが返ってくるわけではありません。わたしもはじめにその質問をしますが、その答えはさほど重要ではなく、その人をリラックスさせるためと、「この人はどのような話し方をするのか…」を見るためです。
大切な質問は、その後に続く「あなたは、『介護のプロ』として将来どのようになりたいのか、どのような介護・仕事をしたいのか…」です。
プロの介護事業者では、必ずこの質問をされます。私は必ずします。
これに答えられない人は採用しません。その理由はわかるはずです。
同種・同業の介護サービス事業者は、他にもたくさんありますから、あなたはどのような介護のプロになりたいのか、その目的のために、なぜこの事業所を選んだのかを知りたいからです。

「マネジメント能力を高めて、将来はデイサービスを起業したいと考えている…」
「介護経営について勉強して管理者になって、自分の理想とする介護を実践したい」

など、将来的な管理職・介護経営を目指している人もいるでしょう。
「認知症介護を極めたい。認知症ケアのプロフェッショナルになりたい…」
「社会福祉士になって、困難ケースがサポートできる福祉の相談員になりたい」

人の上に立つよりも、介護現場で質の高い介護をしたい、困っている人をサポートしたいということに重点を置く人もいるかもしれません。
「地域包括ケアを勉強して、自分の故郷を介護力ナンバーワンの市にしたい…」
といった、もっと大きな夢をもっているかもしれません。

自分が、これから介護のプロになってどうなっていきたいのか、何をしたいのか、自分の人生設計、未来を描くことができるのはあなただけです。自分の未来を語れない人に、介護の未来を語ることはできません。プロの介護サービス事業者は、それを待っているのです。
ぜひ壮大な夢を語ってください。そして、それを実現するために何が足りないのか、どのような努力をするのか、まずは5年後までの目標を考えてみて下さい。そしてそれが達成できる、支援してくれるプロの事業所を選ぶのです。

自分に適した事業者はそれぞれ違う・・でも「素人事業者」には特徴がある

逆に、過去のことしか聞かれない事業者は後ろ向きです。
経験者・即戦力が欲しいというところは、人を育てる能力がない、経験値・戦力の乏しいところですから、そこからあなたが得るものはそう多くはありません。十分に話を聞かないまま採用になるところは、とりあえず人がいなくて困っている、猫の手も借りたいところです。そんなところに入ると大変です。

「でも、実際に働いてみなければ、事業者の良し悪しはわからない…」
「ホームページにはいいことしか書いてないし、みんないいことしか言わない…」
と思うかもしれませんが、そうではありません。
「あなたに適した介護サービス事業者」は「あなたの夢・目的をかなえてくれる事業者」ですから、一人一人違います。それは自分で調べて、就職セミナーに行って、面接を受けてさがすしかありません。
ただ、「働いてはいけない素人事業者」にはいくつかの特徴があります。
つまり、まずは「素人事業者を選ばない…」ということが大切なのです。

それを知らないまま、「とりあえず…」と働き始めると、それが自分の中での介護のスタンダードになってしまいますから、その事業者がプロの事業者か素人事業者か、自分のサービスの質は高いのか、労働環境は適正なのか劣悪なのか…はわからなくなります。
それが今の介護業界の現状です。だから、自分が劣悪な素人事業者で働いていることを知らずに、どこで働いても介護の仕事は同じだ、介護業界で働いている人はみんな大変な思いをしている…と義憤に駆られて「介護の仕事は最悪だ」「介護の仕事には未来がない」「介護は労働者の犠牲によって成り立っている…」と呻いているのです。
本当にすべての介護サービス事業所の労働環境が悲惨なものであるなら、介護の仕事をする人、介護業界で働く人はいないはずです。でも「100%満足」とはいかないまでも、意欲と目的をもって、楽しく働いている人は介護業界にたくさんいます。
残念ながら、彼らの多くは「働いてはいけない素人事業者を見極める」という介護のプロになるための最初のステップを飛ばしているから、そんなことになってしまっているのです。

採用というのは事業者にとっても、あなたにとっても真剣勝負です。
特に、初めて介護の仕事をする「最初の事業者選び」は、そこでどんな人に出会うことができるのかも含め、あなたの人生を左右することになります。素人事業者に入ってしまわないように、事業者の取り組みや考え方などをホームページなど通じて情報収集し、きちんと答えられるように分析しておかなければなりません。
あなたも採用面接で、事業所にとって有益な人材であるかチェックされているのですが、同時にあなたも「この事業所はプロになれる事業所なのか」「自分の介護人生のスタートにふさわしい、介護のプロにしてくれる事業所なのか…」をしっかりと見極める必要があるのです。

次回からは、どのような介護サービス事業者で働いてはいけないのか、その特徴とポイントについて考えていきます。

『介護のプロ』になりたいのであれば、『プロの事業者』を選ぶこと

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